第8回 フレメン指揮者として


 ウィンターコンサートも終わり、僕のフレメン指揮者としての役割も終わりました。今回は、このフレメン指揮者という仕事をやっていて、考えていたこと、感じたことなどを、つらつらと書いてみたいたいと思います。

 ウィンターコンサートのフレメン合奏のために僕が選んだ曲は、ジョン・レノンの不朽の名曲、「All You Need Is Love(愛こそはすべて)」。実はこの曲を決めた時期は、今年の役職が決まる前の、1月ごろ。漠然と、フレメン指揮者になったら、この曲にしよう、と決めていた。

 この曲を選んだわけは、もちろん僕がこの曲を好き、ということもあるが、なにか、本当に漠然とだが、何かメッセージ性のある曲をやりたい、と考えていたからだった。別にこの曲をやることによって何かを訴えよう、なんて気はさらさらなかったが、何かのテーマに沿って、まとまって演奏できればいいな、と思っていた。これは特に1年生にも言わなかったが・・・。

 実際にこの曲の楽譜を作ったのは、5〜6月ごろ。今年の新入生の人数と、やる気をある程度見た上で、5パートにすることに決定。1年生用の曲ということで、なるべく簡単になるように意識して作った。それぞれのパートの概要は次の通り。


  1st
 主にジョンのボーカルのパート。前奏や間奏でも、コーラスの主旋律を担当。最初は休みだったイントロの部分も、音の厚みを増すために、本番2週間前に、急きょ4thの1オクターブ下の旋律を追加。一番目立つパート。

  2nd
 主にコーラスの主旋律を担当。間奏の前半部分では、ジョージのギターソロを担当。1stを生かすと同時に、自分たちもけっこう目立つパート。

  3rd
 主にコーラスの下の旋律を担当。間奏の後半では、2ndの後に、僕が適当に付け加えたギターソロの旋律を担当。役割は2ndと同様。

  4th
 この曲の伴奏を支える、ハープシコードのコードのバッキングを担当。イントロでは、ブラスの主旋律を担当。それ以外は、ひたすらコードを弾く。曲の盛り上がりは、このパートにかかってくる。弾いていてつまらないパートだが(4thの人、ごめん!)、最も重要と言えるパート。

  5th
 イントロ以外は、ポールのベースラインを担当。4thとともに、この曲全体を支える。


 編曲の出来としては、自分でもかなりいい出来だと思った。個々のパートの難易度が低いわりには、全体として、よくまとめられたと思う。今まで一番の出来かもしれない。今から思うと、もう少し難しくしてもよかったんじゃないか、とも思う。直前練習で、コーチのアドバイスをもとに、コーラスにトレモロを採用して、少し難しくなったのだが、みんなけっこう軽々とこなしていたように思う。1年生は、僕が考えていたより、全然上手かった。

 夏休み明けからの練習では、全パートがそろわなかったりして、思うように練習が進められず、けっこう嫌になったこともあったが、まわりの協力もあり、なんとか乗り越えることができた。

 練習では、曲の強弱など、あまり細かいことは言わないようにした。けっこう僕が意図していたものと違う点はあったのだが、僕が考えていたよりも良い点もたくさんあったので、僕の考えを押し通して一人よがりになるよりも、1年生にまかせて、それを見守ることにした。その結果、初め僕が考えていたものよりいいものが作れたと思う。僕が考えていたのは、所詮パソコンソフトで作った楽譜と音の上だけで考えていたものであり、偏った見方になっていた。このあたりも、指揮者をやっていて、おもしろく感じたところである。

 本番の出来もすばらしかったと思う。前から冗談で「フレメンがウィンターの主役をもらう」などと豪語していたが、それも達成できたのではないか、なんて思う。ちょっと言い過ぎかな。

 このフレメン指揮者の仕事を通して、今まで本当に貴重な体験ができた。なにより集団をまとめあげる難しさみたいなものを、身をもって実感することができた(全然まとめ上げることができなかったが・・・)。これからも、この経験を活かしていきたい。

 最後になりましたが、フレメン合奏まで丁寧に指導してくださった川俣コーチ、フレメンの練習まで一緒に手伝ってくれた2、3年のみんな、そしてなにより未熟な指揮者の下で、最高の演奏をしてくれた1年生のみんなに、心から感謝します。




1年のみんなには、本当に感謝!!





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